デジャヴ 2017 9 2

 2011年3月のジャパンタイムズ・ニュースダイジェストでは、
「いつ来る、電気自動車の時代」という巻頭特集がありました。
 この記事の中で、日本のアナリストは、
日本のビッグ3(トヨタ、ホンダ、日産)の参戦が、
EV本格普及の条件としているが、
それは、ハイブリッド技術の開発に巨費を投じてきた、
日本の特殊事情を前提とした議論にすぎない。
 世界レベルで見れば、EVの普及は、
日本でもアメリカでもなく、欧州から始まる。
(引用、以上)
 ジャパンタイムズの記事から、
もう6年も経過しました。
 これは、デジャヴかもしれません。
かつて、私は、このサイトで、
「スマートフォンの時代が来る」と書いた時、
業界からは、強い反発がありました。
 「わが国の携帯電話(ケータイ)は、十分に多機能であり、
わざわざ、スマートフォンを導入する必要はない」という反応でした。
 このような反発があったのは、
いきなりスマートフォンになってしまうと、
携帯電話会社や携帯電話メーカー、
さらに携帯電話の部品メーカーが、
大きな打撃を受けると判断したからでしょう。
 日本企業は、今では「ガラケー」と言われる「多機能携帯電話」に、
巨額の開発費を投入してきたので、
いきなりスマートフォンに転換するわけにいかなかったのでしょう。
 確かに、EVには技術的な問題点が多いと思います。
しかしながら、今回、注意しなければならないのは、
EVの普及に、政治が介入してきたということです。
市場任せではなく、政治の介入があるということを忘れてはいけないのです。
 政治の介入がある時は、
「できない理由」を探してばかりいると、
いつの間にか、日本企業が「周回遅れ」になってしまいます。
これは、スマートフォンで十分経験したはずです。
 人間というものは、
一度成功すると、
その成功を手放したくなくなる。
その成功を守りたくなる。
しかし、それが長くなると、いつの間にか時代から取り残されている。
 さらに成功したいならば、今の成功を捨てることである。
今の成功を捨てつつ、常に新しい成功を追い求める。
これが企業家に必要な精神である。
 今の日本企業の経営者は、
企業家ではなく「役人」になってしまった。






































































トップページへ戻る